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中国を見るときは白黒思考に注意せよ

概要

 

2026年現在の日本において、複雑な中国について、つい単純化された極端な意見に流されてしまうことはないでしょうか。白黒で切り分ける思考は、時に誤解や対立を生みがちです。

 


極端な意見の例1 過度に攻撃的なもの

 

過度に攻撃的な意見は当然ながら良くありません。

「中国は日本と絶対に仲良くできない」という意見は、両国関係を「絶対」という白黒で見る思考の例と言えます。現実の国際関係はより複雑です。確かに、文化や歴史認識の違い、政治体制の違いから生じる相互不理解が摩擦を生む一因であることは否めません。一方で、中国側の強い言辞が、日本の世論に意図したほどの影響を与えていないとする分析もあります。重要なのは、一方の「無知」や「非」を責めるのではなく、違いを認識し、衝突を管理しながら、共通利益を見出していく持続的な努力ではないでしょうか。

「中国人を人前で叱っても大丈夫だ」という意見は、日本の人前で叱る文化に由来する意見です。しかしながら、ある中国人を人前で叱ると相手から恨みを買ったり、極端な場合には暴力を振るわれる恐れがあります。中国人を相手にする時は、相手の文化的背景にある「面子」の重要性を理解し、それを尊重する姿勢が、より円滑な関係を築く一助となるかもしれません。もちろん、相互理解は双方向です。

神戸大学大学院国際文化学研究科 の林萍萍 さんは博士論文で、
「中国人が人前で注意されると面子を潰されるので、面子を潰そうとする相手に対して暴力さえ振るうこともあることを示している。もっとも、面子を回復するためであれ、暴力は中国社会でも許されることではないが、命よりも面子を重視するとも言われている中国人なら、面子を取り戻すために自分を正当化し、過激な行動をとることもあり得るだろう。」(引用:2頁、面子行為に関する日中比較
林, 萍萍 |Kobe University Repository : Kernel
https://da.lib.kobe-u.ac.jp/da/kernel/D1007233/D1007233.pdf)と指摘しています。

「「面子が潰された」という文章から連想される感情語について、日本人と中国人から類似の感情語カテゴリーが得られ、「恥」
と「怒り」は日中大学生に共通して多く挙げられた。(中略)一方、中国人は日本人の回答にない「憎しみ」「焦り」「罪悪感」「プライドが傷つく」「嫌悪」を挙げている。」(引用:面子喪失感に関する感情カテゴリーの検討 ――質問紙調査による日中比較―― 、林 萍萍, 米谷 淳 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsre/23/Supplement/23_ps27/_article/-char/ja/

別の論文では「日本人は友達の前で最も面子を保ちたいのに対し、中国人は家族の前で最も面子を保ちたいことが示唆された。」(引用:誰に対して面子を保ちたいか
*林 萍萍, 米谷 淳 https://www.jstage.jst.go.jp/article/pacjpa/79/0/79_2AM-019/_article/-char/ja/)と書かれていて、日本人の考える面子と中国人の考える面子は別のものであることが示唆されています。

 

極端な意見の例2 過度に楽観的なもの

 

過度に楽観的な意見も良くありません。理由は、中国人に対して無礼な振舞いをしてしまい、中国人から見て日本の評判が下がる可能性があるからです。

「中国人は全員が善人で、自分にとって都合の良い人物だ」との意見がありますが、悪い人間はどこの国にでもいます。犯罪は、日本でも中国でもアメリカ合衆国でもインドでもその他の国でも起こっています。

「中国は自由で礼儀がいらない」との極端な意見がありますが、中国では日本と異なる礼儀作法が必要です。

動画
 この動画では、日本人の中国との人付き合いについて李姉妹が解説しています。日本人の中の一部には、中国で適応してうまくいった方もいれば、中国人をステレオタイプ的に決めつける人もいます。また、李姉妹が一部の人が、日本をはなれた解放感から、極端に無礼に話す人がいることも指摘しています。李姉妹は、日本人に対して中国人の特徴を極端にとらえないようにすることが必要であると指摘していました。李姉妹の意見が参考になれば幸いです。中国人の国民性についての資料は他の資料も参考にすることをおすすめします。

日本育ち中国人が、日中の人付き合いについて最近思うこと。(2023年6月28日)

www.youtube.com


目安時間約13分

 

極端な意見の例3 中国を過小評価するもの

 

中国は14億人の人口を誇る大国であり、「2023年現在日本最大の貿易国で日本の輸出入の約20パーセントを占めています。」(参考資料:務省貿易統計 1995年から2023 年までの輸出入総額の推移 https://www.customs.go.jp/toukei/suii/html/data/y3.pdf)そのため、日本は経済的繁栄のためには中国を無視することができません。しかも、東京と北京の距離は約2100kmしかありません。しかし、その事実を無いことが前提の中国を過小評価する意見が頻繁にみられます。

「日本の政府は中国の核心的利益を侵害しても日本は無傷でいられる」という意見は、中国の反応と影響力を過小評価している可能性があります。中国は自国の「核心的利益」に対して非常に敏感であり、外交手段や経済措置を含む強い反応を示すことが過去にもあります(例:特定の問題を巡る輸出規制など)。一方で、国際関係は複雑に絡み合っており、単純な因果関係で結果が決まるとは限りません。この問題を考える際には、中国の主張や行動様式を理解するとともに、同盟国や国際法の枠組みなど、他の要因も総合的に勘案する必要があるでしょう。


まとめ

 

白黒思考に陥りがちな時こそ、客観的事実と多角的な視点に立ち戻って考えてみることが、相互理解への第一歩ではないでしょうか。