概要
近年、子どもたちがスマートフォンに触れる機会が増えています。便利な道具である一方、発達段階に応じた使い方を考えないと、心身への影響が懸念されることも事実です。本記事では、小児科医の指摘するリスクを紹介するとともに、年齢に合わせたスマートフォンとの関わり方や、豊かな時間を過ごすための代替案をご提案します。
スマートフォン使用における懸念されるリスク
スマートフォンの使用は、子供に悪影響を与える懸念があります。国立病院機構九州医療センター小児科医長/NPO子どもとメディア代表理事/九州大学小児科臨床教授の佐藤和夫氏は、次のように警告しています。
まずは「電子おしゃぶり」の言葉の定義についてです。
「親が家事などで手を離せない時にテレビやビデオ・DVDを見せられたり,静かにするようにとスマホやタブレットを与えられる現状がある(電子ベビーシッター:electric babysitter や電子おしゃぶり:digitalpacifier と称される)」[1]
幼児期の躾と、スマートフォンの使用に関してです。
「日常的な電子おしゃぶりとしての使用は,幼児期の躾の機会を放棄することになり自制心の発達を妨げる可能性がある。」[1]
また、論文の表1には次のような子供のスマートフォンの使用での悪影響が指摘されています。「
(1)暴力・攻撃性(中略)
(2)運動不足・肥満(中略)
(3)性の問題 (中略)
(4)喫煙,酒,違法薬物 (中略)
(5)学業成績 (後略)」
[1]
[1](引用元: IT の功罪:電子メディアの子どもへの影響とその対応 佐藤和夫(国立病院機構九州医療センター小児科医長/NPO子どもとメディア代表理事/九州大学小児科臨床教授)
https://www.jschild.med-all.net/Contents/private/cx3child/2018/007701/005/0018-0022.pdf
)
スマートフォンに代わる、豊かな時間の過ごし方
では、子どもたちの時間をより豊かにし、健やかな成長を促す活動にはどのようなものがあるでしょうか。年齢別にいくつかの案をご紹介します。
幼児向け
積み木等のおもちゃ:手指の器用さや空間認識能力を育みます。
お絵描き: 創造性や色彩感覚を養い、自分の気持ちを表現する練習になります。
幼児向けの絵本の読み聞かせ: 言語力、想像力、親子の絆を深める時間を作ります。
文字の読み書きを補助する本: 遊びながら学ぶきっかけに。
小中学生向け
読書: 知識を深め、集中力や読解力を高めます。家族で読んだ本について話し合うのも良いでしょう。
スポーツや外遊び: サッカーなどはもちろん、公園での鬼ごっこなども体力作りや社会性を育みます。
工作や料理などの体験学習: 段取りを考え、手を動かす達成感は、デジタルでは得難いものです。
小中学生でどうしても携帯電話が必要な場合
中には、学校で学習アプリの使用が必須であったり、家族との連絡手段が必要な方もいらっしゃるでしょう。
Android端末の場合は、Google ファミリー リンクを使うことができます。このサービスは、親が子供のAndroidスマートフォンのアプリと使用時間を管理することができるアプリになります。設定次第ではLINEアプリと通話のみ子供が使用可能にすることも可能です。
ファミリー リンクを使ってみる |Google For Famillies ヘルプ
https://support.google.com/families/answer/7101025?hl=ja
まとめ
スマートフォンは現代社会では欠かせない道具です。完全に遠ざけるのではなく、「いつから、どのように使わせるか」 を各家庭で話し合うきっかけが必要なのではないでしょうか。本記事で紹介したリスクや代替案を参考に、お子さんの年齢や性格、ご家庭の事情に合わせた、バランスの良いメディアとの付き合い方を考えていただければ幸いです。